黒釉オレンジ彩 イタリアンカラーのオレンジ色の鍋を作ってくれないか、と依頼されたのは10年前。 釉薬にはオレンジ色は無いから、さすがに自分の中では思ったことも無い色だった。 どうしたら良いか困惑する気持ちもあり、最初は土鍋にオレンジ??となかなか受け入れる気分になれなかった。 オレンジの鍋…。 土鍋の雰囲気に合うのか? どうデザインする? 8年腰が上がらなかった。 でも、急にやってみたくなった。 黒釉オレンジ彩 「日の出」土鍋1人用 径195mm オレンジ色の釉薬というのは無い。 釉薬にオレンジ色の顔料を混ぜて作ったものを使った。 釉薬の濃さや、他のどの色の釉薬と合わせれば、オレンジが際立つのかを何度も実験してみた。 デザインをいくつも考えるうちに、大きな太陽をデザインしてみようと思った。 焼き上がった鍋を見て「日の出」と名付けた。 黒釉オレンジ彩「日の出」土鍋1人用 「日の出」土鍋は、これひとつを並べるだけで個展の会場を明るく照らす事に気が付きました。それにまた、他の鍋をも明るく照らすような雰囲気を持っているのです。 独立した個性であって、しかも他を拒絶しない、「日の出」の名前の如し、不思議です。 黒釉オレンジ彩「日の出」3人用 径285mm