青白釉

20代始めに学んだ工業試験場時代のノートをパラパラと見ていた時、ノートの片隅にある釉薬の調合がメモってあった。試してみようと焼いてみた。綺麗な水色が出て、その色合いを青白釉と名付けた。

青白釉紅彩土鍋 1人用

青白釉 線文キャセロール 2人用 径240mm

それからこの青白釉を使い、初めて作ったのが、ストライプ柄のブイヤベース土鍋だった。
青白釉の水色の明るさもあって、新しい作品としてとても喜ばれた。
けれど、
せっかく書いた線文様が、焼いた時に流れ出してしまうことがあり、何とかならないかと考えた。

青白釉 線文ブイヤベース鍋(中) 径240mm

青白釉 波紋 ブイヤベース(大) 径260mm

まず、青白釉を作品全体にかけたところに、カンナを使って直線や曲線を深く細く彫り込んでいく。
そこに筆の先で、まるで象嵌のように赤や紺の釉薬を流しこむことで、焼いた時に釉薬が線から流れ出さなくなり、少しにじんだ様な色合いの線模様を出せるようになった。
見た目よりずっと手間はかかるが、線の色合いが水色に映えると嬉しい作品です。

青白釉 波紋土鍋 1人用 径190mm

青白釉 楕円土鍋 2人用 径240mm×206mm

鍋の縁は楕円ですが、最初にロクロを引いて鍋の形を作っているので、底の形は普通の鍋と同じ、円です。
遊びの気持ちで作りましたが、以外にも人気があります。